中小再生へ後継者後押し 不振事業分離に補助金、経産省検討

日本経済新聞 平成26年9月24日より引用

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中小再生へ後継者後押し 不振事業分離に補助金、経産省検討

  経済産業省は新事業に挑戦する中小企業の後継者を支援する。不振の従来事業を整理し、新分野への進出で再建を目指す後継者に2015年度から補助金を出す検討に入った。親族以外の後継者の経営権を安定させる法改正などと合わせ、中小企業の「第2の創業」を後押しする。雇用の受け皿になっている中小企業の再生を促し、地域経済の活性化につなげる。
 赤字など不振の既存事業から撤退することを条件に、新たな事業を軌道に乗せるのに必要な人件費や設備費を補助金で手当てする。生産設備の廃棄や在庫の処分、廃業手続きにかかる費用のほか、コンサルティング会社への相談費用も支援するようにする。
 来年度は約10億円の予算を確保し、1件あたり1千万円を上限に必要経費の3分の2を補助したい考え。年間200件程度の支援を想定し、財務省と協議を進める。企業だけでなく、個人事業やNPO法人も同じ枠組みで支援する。
 経産省は後継者による新規事業への挑戦を「第2創業」と位置付け、重視している。不振にあえいでいる中小企業でも廃業してしまうと、人材や設備、取引先などの経営資源が一気に失われてしまう。価値のある経営資源は残しつつ、不採算部門だけを切り離して新分野を開拓できれば、成功の可能性が高まり、雇用の維持と企業の新陳代謝の双方で利点が大きいとみている。
 経産省は親族でない人にも中小企業の経営を円滑に引き継げるよう、親族との株式保有に関わるトラブルを防ぐ法改正も検討する。後継者難を背景に、親族以外の人が事業を引き継ぐ事例が増えているためだ。
 事業継承が行われたときに、後継者以外の親族が先代から株式をもらえる権利(遺留分)を行使できなくする特例措置を、親族でない人が後継者になった場合にも適用できるようにする。来年の通常国会に経営承継円滑化法の改正案を提出し、16年度の実施をめざす。
 中小企業庁によると、今は株式を巡る紛争が起きると双方が弁護士を立てて金銭的解決を図ることが多いという。改正によって紛争を未然に防ぐことができ、親族でない後継者が安定して経営できるようにする。
 税制面でも支援策を検討する。先代が生きている間に後継者が次代に引き継ぐ場合、次代に経営権を渡した後も贈与税の猶予措置を続けて、納税義務が生じないようにする。経産省は来年度の税制改正を要望している。
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